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オピニオンコラム

つまずかない飲食開業 3つのポイント「目標・見積もり・融資」

2022/04/15

みなさま、コンセプトが固まったり、仕入れ先・レシピを研究したり順調に進んでいるので
はないでしょうか?
しかしその矢先、順調に進んできていたはずの開業準備が全く進まなくなってしまう、意外な落とし穴が3つほどあります。

それは
「明確な目標の設定をせず、オープンしてしまうこと」
「工事費の甘い見積もりによる資金不足」
「融資を借りる金融機関のリサーチ不足」
今回はこの3つについてお話します。


 

「明確な目標設定をしてオープンする」ことの大切さ

みなさま、開業するお店のビジョンは明確でしょうか?
ビジョンがないと、せっかく開業した店舗が早いうちに閉店してしまう恐れがあります。

なぜ目標が必要?

目標がないと、今後一切数字に興味が向かず、ただただ料理を作って売っているだけの作業となってしまいます。
これがやがて、やや忙しくなってきたと感じたときに目先の忙しさやレジ金の多さだけで稼いだ感を感じる、いわゆる”どんぶり勘定”になり、
今すべきではないタイミングで備品を買い替えたり、2店舗目の開業に無計画でコマを進めてしまったりと、無謀な行動をとってしまいます。
利益がかなり落ちているときも、「なんかあまり売れない」とあたふたするのみで右肩下がりの収入となってしまいます。

「いつか2店舗目を作りたいな」程度ではまだまだ不明確で、
「お店を出し、2年後には500万円を貯め、2店舗目を開業。5年後までには4店舗は展開していたい」というレベルの具体的な数値が必要です。
目標のためにどれほどの資金をため、従業員をいかに育てていくかの計画を立てていくという意識づけにもなります。もちろん、確実に売り上げが悪いことが分かる月も訪れるので、現状維持できる売り上げの最低ラインが必要です。
読むべき書籍やしなければいけない勉強なども目に留まり、自然と意識が高まることにもつながります。

ぼんやりした目標のリーダーの元で働くのは、スタッフも不安。
スタッフや関係者も続けたくなる環境づくりに大きく根差しているのが、「明確な目標を持ち数年先を見ているリーダー」かどうかです。

今後、融資を受けるにあたっても、開業の計画がきちんとしていることを面談で見られますし、そういった点でもいまきちんと時間をかけて向き合うことは無駄なことではありません。

甘い工事見積もりによる資金不足

工事費の見積もりに想定外のことが起こった時、再度きちんと見積もりをしないと、余分に必要資金が見えず工事費が足りなくなってしまう。という事例が多くあります。
たとえば、

A店は店舗の家賃を事前に計算し、工事費用などの見積もりも事前に済ませていました。
しかし物件探しを始めると、望んでいる物件がうまく見つからず。
ただ出店のタイミングはどうしてもずらしたくなかったので、「予備の自己資金もあるし、大丈夫だろう」という推測をし、想定より大きい物件を借りることにしました。しかし、開業準備をしているとどうも資金が目減りし、本来開業後の運転資金に使うはずだった自己資金にも一時開業をストップすることに。
もちろん、その間も家賃は発生します…。

一方、B店は同じように大きい物件を借りることも検討したのですが、再度内装工事などを見積りなおしてみると、現在の資金では到底賄えないことが分かりました。いったん時期を見計らって、翌々月に物件を調べていると予算に収まるぴったりの物件を見つけることができました。

このように、工事費は店舗の広さとともに内装・外装工事費用も面積が増え、工期・人件費も増えます
毎月の家賃がひょっこりと高くなるだけではありません。
「今決めなきゃ絶対この物件に巡り合えない」と、物件を一期一会として即手にするのではなく、むしろ土地は開業後の人生を一生共にするものです。
再度見積もりをお願いして本当に支払いをしていける物件か見極めたり、来る日を待つ選択肢を持つ様にしましょう。
たった1ヶ月の見送りが功を奏することもあります。

融資を受ける金融機関のリサーチ不足

新規開業をするにあたり金融機関のリサーチが足りず、予定していた時期に融資が降りず開業が遅れてしまう、というパターンがあります。
まず、融資は申請したら通るものではありません。

「現職の飲食店でかかわりのある都市銀行の銀行員に融資をお願いしよう」という繋がりがあるかもしれません。
ですが、融資申請に限っては身内の銀行で融資は下りない可能性が高いです。

開業の融資をするなら日本政策金融公庫

最も融資申請が多く通っているものとして挙げられるのが「日本政策金融公庫」。
この金融機関の目的としては、利益追求をすることが目的ではなく日本の経済の発展を目的とした機関であるため、開業融資の申請に前向きです。

反対に、初めにお話していたような都市銀行では、これまでの実績を必要とするためゼロからのスタートとなる新規開業の融資としては難しいというのが実情。

融資に必要な諸条件

新規開業の融資が通りやすい機関とはいえ、出せば必ず通るわけではありません。

なかでも日本政策金融公庫の「新創業融資制度」には、
・現在の企業に継続して6年お勤めの方
・融資額の10分の1以上の自己資金が確認できる方

という条件を満たしている必要があります。

親戚からもらう自己資金の罠

「融資額の10分の1以上の自己資金がまだ少し足りないので、家族に一部送ってもらい10分の1をの目標を達成した」という手段があります。しかし、これでも融資が通らない場合があります。

Aさんは創業資金の10分の1を持ち合わせていなかったので、両親に開業の応援資金として100万円を口座に送っていただきました。
「これで10分の1の額を用意できた!融資申請に向かおう」と申請をしたところ、後日「融資はおりない」との返答がありました。
言うまでもなく、開業は先送りとなってしまいました。

なぜ、Aさんは融資を受けられなかったのでしょう?
受けられなかった理由としては、実は金融機関はAさんの貯金額を見ていただけでなく、Aさんが地道にお金を貯めていたかどうかを判断材料としており、通帳を確認したところ急な多額の入金があり、それは自己資金として認められなかった、というケース。

このように、自己資金の集め方にも気を配らないといけません。

まとめ

準備が少しずつ進んでいる今だからこそ覚えていてほしい3つの話でした。
開業が滞ってしまう条件として
・目標の不明確さ
・工事費用の見積もりの甘さ
・融資が通りやすい箇所のリサーチ不足
ということがあることがわかりました。

ですが、ひとつひとつ計画的に実行していれば危険はないことなので、
今回の話をきっかけに、開業を確実なものにしましょう。

 

 

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