食店の事業計画書の書き方を解説!
新規開業や多店舗展開、設備投資にいつでも必要になるものが、資金の確保。
この資金を確保できないとどうにも動けないのですが、融資・補助金を受けることで行動に移せる場合があります。
そこで、出資や融資をうまく受けるために重要なのが「事業計画書」です。
1.事業計画書とは。飲食店開業に必要なのか。

まず事業計画書とはどんなものでしょうか。
1-1.事業計画書とは
事業計画書とは、創業の動機や必要資金の内訳、どのようなプランで経営をしていくのかを書面にしたものです。
この事業計画書は、主に会社の設立や設備投資などに際して、出資を促すためのものです。
事業計画書をもとに金融機関や投資家などに、出資に対するリターンがしっかりとできることをアピールし、開業資金を確保します。
また、この事業計画書は第三者の信頼を得るだけでなく、自分自身の計画がどの程度実行できるのかを客観的に判断する材料になります。
出資や融資の審査は自分の計画をプロに見てもらう貴重な機会です。
しっかりと準備して、良い開業準備の一環としましょう。
1-2.飲食店開業になぜ必要なのか
それでは、飲食店の開業に事業計画書は必要なのでしょうか。
実は、飲食店開業こそ事業計画書が重要なのです。
飲食店には、土地の確保や食材の仕入れなど、オープンする前から必要な資金が多くあります。
その額は15坪ほどの小さなカフェでも500万円以上、レストランだと700万円から1200万円程度、大きなお店ではそれ以上が必要だと言われています。
これだけの金額を個人で用意するのはとても大変ですよね。
そこで、しっかりとした事業計画書を作り、出資や融資をしてもらう必要があるのです。
1-3.事業計画書とは何かのまとめ
事業計画書がどんなものかわかっていただけたでしょうか。
お店の経営のプランをまとめた、投資してもらうための説明に必要なものだと覚えてもらえれば充分です。
投資してもらえるかどうかは、お店を出して経営していく上で、とても大切なポイントです。
お店がうまくいくかがかかっていると思ってしっかりと準備しましょう。
なお、事業計画書以外の開業全般について知りたい方はこちらへどうぞ!
飲食店開業マニュアル完全版!店をオープンするために必要な全項目をリストアップ飲食店を開業するにはいくつかの資格、届け出と資金が必要です。 それらの詳細と実際に飲食店を経営するまでの道のりを具体的に説明していきます。
2.飲食店の事業計画書の作り方
それでは、飲食店開業のための事業計画書はどうやって作ればよいのでしょうか。
事業計画書の項目9項目ほどあります。
「創業の動機」
「経営者の略歴等」
「概要」
「セールスポイント」
「競合や市場」
「販売戦略」
「取引関係」
「資金と調達状況」
「売り上げ予測」
です。
ではそれぞれ見ていきましょう。
2-1.「創業の動機」
この事業がどのようなきっかけで、どんな目標をもとに行われるのかをアピールします。
経験や勝算が不十分な場合でも、動機や理念などを説明し、熱意を伝えることでカバーしましょう。
相手もお金を出す以上、やる気がある人に出資をしたいと考えるものです。
2-2.「経営者の略歴等」
まず、創業者(あなた)がどんな経歴の人なのかが問われます。
この事業を成功させられる根拠となるように、経歴をうまくアピールしていきましょう。
料理人の経験やお店の経営の経験があると当然有利です。
複数人で開業する場合、アピールしやすい経歴の人がいればその人を押し出すような書き方をするのも良いでしょう。
勤務していた社名だけでなく細かな業務経験を書く必要があります。
集客対策や人材管理をしたなど特別な業務経験があれば強みになりますが、
面談の時に「具体的にどのようなことをしたんですか?」と聞かれることもあるので偽りなくはきはきと答えられる準備をしましょう。
受賞歴があれば、それもきちんと掲載しましょう。
2-3.「取扱商品・サービス」
どのような商品を扱うかどうかの説明をします。
この時に、融資面談の面接官が具体的なイメージができる文章でないと信頼が得られず、他の項目がどんなに良くても失敗につながってしまいます。
[取扱商品・サービスの内容]では販売するメイン商品と料金、それぞれが売り上げの何%を占めるかなどを記入します。
[セールスポイント]はコンセプトを中心に、店舗のこだわり商品がどういったものなのかかや、それに加えて接客法や演出を伝えましょう。
[販売ターゲット・販売戦略]は具体的にどういった環境でどんな客層が来そうかという点を踏まえて、何の商品を多く売り利益を上げるか?など浮かんでいる戦略を書きます。
[競合・市場など企業を取り巻く状況]は、昨今の同業の店舗で起こっている脅威に対してこの商品でこの立地なら~~で差別化できる
等、業態のリアルを把握して、向き合えているか?という点で見られます。
奇抜なアイデアばかりの戦略よりも、売り上げの予測が立ちやすい堅実な戦略が好まれます。
商品やコンセプトが奇抜な場合は、宣伝や人員配置、価格設定などを入念に計算し、確実に利益が出せることを示しましょう。
飲食店の強みは必ずしも、料理や飲み物とは限りません。立地や雰囲気、場合によってはスタッフの人柄などもセールスポイントとなります。繁盛して利益が出ると言い切れる根拠を、ここでしっかりとアピールしましょう。
2-4.「取引先・取引関係先」
商品の材料としての取引・仕入れ先を記入します。
食べ物や飲み物の質がどれだけ高くても、仕入れ値よりも高い額で売らないと利益は出ません。
そのため、仕入先であったり、販売先がどうなっているのかを提示します。
特に、どこでどれくらいの額で仕入れられるのかを示すことは、計画の透明性と信頼性を高めることができるので、とてもよいアピールになります。
2-5.「従業員数」
どれくらいの人数で運営をしていきたいかを記入しましょう。
店の回転率や料理のコストパフォーマンスに合わせた、具体的な数値を浮かべる必要があります。
2-6.「お借入れ」
借り入れをしているからダメだという話よりも、金銭状況の把握をしていることが大切です。
合っているか間違っているかを先方が調べることは容易なので虚偽の場合、すぐにばれてしまいます。
2-7.「必要な資金調達方法」
この事業計画書の目的でもある資金の調達についてです。
どのくらいのお金が必要なのかと、その内訳を説明します。
複数機関から調達する場合や、自分の貯金などを使う場合は、それらを含めた全体像も説明します。
融資を受けるとき、どこでお金を準備してどう使うのかを問われます。
大きく分けると、このようになっています。
設備資金:物件の内装費・保証金、看板、椅子・机や什器、厨房機器
運転資金:人件費、家賃、消耗する備品、水道交通費、インターネットの通信費、支払いの利息
それぞれきちんと区分けした書き方ができるようにしておきましょう。
2-8.「事業の見通し」
売り上げの予測や支出、予算などを複合的に計算して、短・中期的な見通しを出します。
ここでも現実的に可能なのかが重視されるので、根拠を提示できるようにしておきましょう。
また、現実的な見通しをもとに長期的な展望を説明できるとなお良いです。
また、創業当初と軌道に乗った後でそれぞれ書かなければいけません。
売上高は客単価×席数×回転率×日数を各販売体系別で算出(ランチ/ディナー/テイクアウトなど)
売上原価は売上高×原価率で算出します。
人件費:社員は月給、アルバイトは時給×1日当たりの時間×日数×人数 を記入しましょう。
支払利息は借入金額×利率÷12か月で割り出せます。
2-9.「自由記述欄」
書ききれずはみ出してしまった部分を書くようにしましょう。別の用紙に記入して添付することも可能です。
まとめ
このように、9項目となっています。
店舗の魅力などは2,3文で簡単にまとまるものではないので、用紙にいきなり本番で書き始めるのではなく、きちんと要点をまとめてから描くようにしましょう
3.融資を受けて飲食店開業をするための事業計画書の書き方のポイント

ここまでで事業計画書の書き方を説明してきました。
それでは、どのような事業計画書が融資につながるのでしょうか。
ここでは
「わかりやすく、簡潔に」
「実現性のある数字を使う」
「計画は詳細に準備しておく」
の3つのポイントに注意しましょう
。
3-1.「わかりやすく、簡潔に」
まずわかりやすさがとても重要です。
多くの人がお金を出してもらおうと一生懸命説明します。
熱意が伝わる分には良いのですが、空回りして話が長くなってしまっては意味がありません。
なので不要な表現はなるべく削って、洗練された説明文を作りましょう。
3-2.「実現性のある数字を使う」
実現性の低い事業計画書は、ただの夢物語でしかありません。
融資の事業計画書は、「お金を貸してもらう」ための書類です。
なので、しっかりと根拠に基づいて、嘘にならない数字を使う必要があります。
3-3.「計画は詳細に準備しておく」
ある程度しっかりした計画でも、不充分な箇所があると厳しく指摘されます。
全てを事業計画書に書ききる必要はありませんが、聞かれたら完璧に答えられるというような準備が必要です。
かりにもお金を出してもらうのですから、不安を解消させられるように説明する義務があると思って取り組みましょう。
3-4.書き方のポイントのまとめ
「わかりやすく、簡潔に」
「実現性のある数字を使う」
「計画は詳細に準備しておく」は必ず頭の中に入れておくようにしましょう。
出資や融資をしてもらうということは、相手にリスクを負わせるということです。
なのでごまかすことなく、自信を持って審査に臨めるようにしましょう。
4.まとめ

事業計画書の目的や書き方についてまとめてきました。
かなり大変な印象を抱いていたものの、読み解いていくと多少は書きやすくなったのではないでしょうか
本記事でなるべく苦手意識を無くしていただきたいとは思いますが、事業計画書はプロの指導のもとで作成するのが確実です。
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